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パートの重要事項

労働移動に関しても、興味あるパターンの違いが観察される。
同じくOECDのデータに求めると、対象各国が共通に含まれた1977年から81年にかけての5年間の離職率の平均をとれば、アメリカ46%、ドイツ29%、フランス16%、イギリス24%、日本12%となる。 アメリカが際立って高い離職率を示すことは当然予想されるとしても、ドイツもまた、日本と比べればかなり高い水準を示している。
いずれの年齢階層においてもアメリカが高い水準にあることは予想通りであるが、30歳台に関しては、ドイツもまた、日本と比べればかなり高い水準を示している。 この比率が転職の度合を表わすとすれば、30歳台において日本の雇用パターンが強い定着性を示すのに対して、ドイツは相対的に流動的なパターンを示している。
つまりドイツは、長期勤続という点では日本と類似したパターンを示すと同時に、転職あるいは労働移動に関しては日本と異なるパターン、すなわちより流動的なパターンを示している。 しかし、失業期間や失業からの流出率から見る限り、日本よりもはるかに硬直的なパターンを示すということになる。
以上のデータは、各国ごとの特徴を印象づけるだけであり、その背後のメカニズムを説明するわけではない。 現にアメリカにおいても、10年や20年以上の長期勤続の存在が否定されるわけではなく、後段において述べるように、それをもたらすのが実は日本と同型の「内部労働市場」型の雇用システムであるといってよい。
それは先任権に基づくレイオフを制度化することにより、一方では長期勤続者の雇用を保障すると同時に、他方では短期勤続者の頻繁な失業を生み出す。 同時にレイオフは、リコール(再雇用のための呼び戻し)の制度と一体となることによりその失業が短期であることを保障する。
たとえば1976年から81年までの平均リコール率は、72%に達するとの研究もある。 このように「内部労働市場」のシステムにおいても、アメリカは、一方では定着型の雇用を制度化すると同時に、他方では流動型の雇用を制度化する。

興味深いことに、先に示した失業期間の比較において、スウェーデンがアメリカと類似したパターンを示すということがある。 しかし、当然のことであるが、その背後のメカニズムはアメリカとはまったく異なるものだ。

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